沿革
創世記 ~シルバー人材センターの誕生~
昭和49年12月、進展する高齢化社会を背景に、一般雇用を希望しない高齢者の就業ニーズに応え、その希望と能力に応じた仕事の機会の確保を図るため、「東京都高齢者事業団」が設立されました。そのモデル事業団として「江戸川区高齢者事業団」が昭和50年2月24に発足。同年10月23日には昭島市高齢者事業団が第二号として誕生し、その後も、続々と都内各地で、さらには全国へと広がっていきました。
高齢者事業団(現在のシルバー人材センター)は、高齢のため、一般雇用になじまないが、働く意欲をもつ高齢者都民のために、その経験と能力を生かして働く機会を確保する「生きがい」のための労働のしくみとして、東京で誕生した公的制度でした。
シルバー人材センターという名称は、昭和55年に、国(旧労働省)の補助事業において、高齢者事業団がシルバー人材センターと位置づけられたことに始まります。シルバー人材センターを法的に位置づけている「高年齢者等の雇用の安定に関する法律」が、既成の法律を改編して成立するのは、もっと後の昭和61年のことです。
昭和50年10月、東京都高齢者事業団を発展的に改組し、東京都の出捐により、財団法人東京しごと財団の前身となる財団法人東京都高齢者事業振興財団(以下、「振興財団」という。)が設立されました。
振興財団は、都内各地域で設立が進められた高齢者事業団への指導・育成・援助を中心とした事業を行い、昭和56年からは既設シルバー人材センターの補助事業者である区市町村からも追加出捐を得て、東京都・関係区市町村及び各シルバー人材センターからの負託に基づく様々な事業を展開しました。
シルバー人材センターの活動
変革期 ~高年齢者就業の拠点 シニアワーク東京~
振興財団は、平成2年10月より「高年齢者就業相談事業」を東京都から受託し、都内10か所の東京都高年齢者就業相談所(以下、「就業相談所」という。)の運営を任されました。就業相談所では、高年齢者に対する就業相談及び高年齢者を活用する事業主等に対する相談、公共職業安定所の協力の下、職業紹介業務などの相談事業を実施しました。
平成8年4月には、都内の「高齢者就業に関する拠点」として「東京都高年齢者就業センター(シニアワーク東京)」を、東京都が設置しました。振興財団は、その管理運営を受託し、高年齢者の就業支援事業を推進してきました。
東京都高年齢者就業センターでは、相談事業に加えて、シルバー人材センターや業界団体等の関係団体と協力のもと、能力開発コース「高年齢者のための実践セミナー」をシルバー人材センター入会予定者向け(現在の「シルバー人材センター就業支援講習」)と、企業就職希望者向け(現在の「高年齢者のための就職支援講習」)に実施しました。
平成8年10月には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部改正により、振興財団が「シルバー人材センター連合」として都知事の指定を受けました。
就業相談所は、平成14年度に開始した「はつらつ高齢者就業機会創出支援事業(アクティブシニア就業支援センター)」による高年齢者就業相談事業の地域展開に伴い、東京都により順次廃止が進められ、平成19年3月にすべての就業相談所は廃止されました。
東京都高年齢者就業相談所
シニアワーク東京正面入口
高年齢者のための実践セミナー
成長期 ~東京しごと財団の誕生~
平成15年7月、東京都は「東京都雇用・就業対策審議会答申」を踏まえ、厳しい雇用情勢に対処し、雇用環境の変化に対応するため、東京都自らが積極的に雇用・就業対策に取り組む方針を打ち出しました。
また、平成16年度重点事業として、東京しごとセンターの設置、東京しごと財団の設置などが示されました。
東京における雇用・就業対策をより戦略的かつ効率的に推進するため、東京都は平成16年4月1日、振興財団と財団法人東京都心身障害者職能開発センターを統合し、幅広く都民の就業を推進する公益法人として、「財団法人東京しごと財団」(以下、「財団」という。)を発足させました。さらに、同年7月には、飯田橋に「東京しごとセンター」を開設しました。
財団は、振興財団と財団法人東京都心身障害者職能開発センターで実施していた事業を継承するとともに、平成16年7月より「東京都しごとセンター事業」を東京都から受託し、その管理運営を開始しました。
拡充期 ~障害者就業支援事業~
財団法人東京都心身障害者職能開発センター(以下、「職能センター」という。)は、職業訓練の受講機会に恵まれなかった重度の心身障害者の職業的社会復帰を推進するため、労働と福祉の両行政機能を統合し、かつ無料職業紹介事業を併有したユニークな職業訓練機関として、昭和47年6月に設立されました。
以来、随時入所・随時修了制や障害者個々の能力・特性に応じた個別訓練指導、きめ細かな就職指導など独自のシステムにより、重度の心身障害者の職業能力の開発と就職促進に取り組んできました。
職能センターは平成22年4月に財団法人東京しごと財団 障害者就業支援課へ改組し、同年9月27日には東京しごとセンター(飯田橋)へ移転しました。
心身障害者職能開発センター施設内職業訓練
現在 ~東京の雇用就業施策の拠点 東京しごとセンター~
財団法人東京しごと財団は平成18年4月から指定管理者の指定を受け、東京都しごとセンターの管理運営を行っています。
平成19年8月には、東京都しごとセンター事業の成果を全都的に展開していくため、多摩地域における拠点として国分寺に「東京都しごとセンター多摩」が設置されました。
また、公益法人制度改革に伴い、平成23年4月1日、財団は公益財団法人へ移行しました。
開設10周年を迎えた平成26年7月26日には、家庭と仕事の両立を目指す女性の再就職を支援する「女性しごと応援テラス」を東京しごとセンター内にオープンしました。
さらに、平成28年4月からは、企業に対する採用支援、人材確保支援や働きやすい職場づくりを支援する「雇用環境整備事業」を実施しています。
令和6年4月からは、公益目的事業として新たに「高年齢者等が蓄積した多様な能力・経験を、企業間の人的資源の移動等を通じて社会の中で活用することを促進するために必要な事業」を追加し、同年6月には関連事業を集約した拠点として「プラチナ・キャリアセンター」を開設しました。
財団は、平成28年度から10年の東京都しごとセンターの指定管理者の指定されたことを受け、その管理運営を着実に実施していくとともに、公益法人として社会・雇用情勢の変化に応じた事業の展開を図り、東京都における豊かな職業生活の実現と活力ある地域社会づくりに寄与して参ります。
東京しごとセンターのサービス
沿革
昭和47年6月7日 | 「財団法人東京都心身障害者職能開発センター」を設立 |
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昭和49年12月18日 | 「東京都高齢者事業団」設立[会長 大河内一男東大名誉教授] |
昭和50年10月25日 | 「東京都高齢者事業団」を発展的に改組し、東京都より出捐を受けて、「財団法人東京都高齢者事業振興財団」を設立 |
昭和55年4月 | 「高年齢者労働能力活用事業(シルバー人材センター)」の改正により、高齢者事業団が国の補助事業となる |
昭和61年4月 | 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により、シルバー人材センター事業が法制化 |
平成2年10月1日 | 東京都から「高年齢者就業相談事業」を受託 |
平成8年4月1日 | 「東京都高年齢者就業センター」開設、東京都から管理運営を受託 |
平成8年10月1日 | 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により、振興財団が「シルバー人材センター連合」に指定される |
平成16年4月1日 | 「財団法人東京都高齢者事業振興財団」と「財団法人東京都心身障害者職能開発センター」とを統合し、「財団法人東京しごと財団」を設立 |
平成18年4月1日 | 東京都から東京都しごとセンターの指定管理者として指定される |
平成19年8月1日 | 東京都しごとセンター多摩開設 |
平成23年4月1日 | 公益財団法人へ移行 東京都から東京都しごとセンターの指定管理者として指定される |
平成28年4月1日 |
公益目的事業「雇用環境整備事業」を新たに実施 東京都から東京都しごとセンターの指定管理者として指定される |
令和6年4月1日 | 公益目的事業「高年齢者等が蓄積した多様な能力・経験を、企業間の人的資源の移動等を通じて社会の中で活用することを促進するために必要な事業」を新たに実施 |
令和6年6月18日 | プラチナ・キャリアセンター開設 |
付録 ~埋蔵文化財出土品について~
東京しごとセンターの敷地で、平成4年から5年に埋蔵文化財の発掘調査が行われ、飯田町遺跡が発掘されました。5階休憩スペースにその時の資料が展示しております。出土品は、東京都へ返還したため現物展示はございません。
遺跡概要
遺跡名: | 飯田町遺跡 |
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所在地: | 東京都千代田区飯田橋3-10、北緯35度41分48秒 東経139度45分11秒 |
調査面積: | 4100㎡ |
主な時代: | 縄文時代(早期・前期・中期)、古墳時代~奈良・平安時代、江戸時代、近代 |
主な遺構: | 遺物集中(古墳時代~奈良・平安時代)、木樋、竹樋、継手、井戸、溜桶、穴蔵、廃棄坑、瓦溜、石組溝、木組溝、建物礎石・基礎杭(以上江戸時代)、木枠溝、転車台(以上近代) |
主な遺物: | 縄文土器、土師器、須恵器、土錘、肥前系陶磁器、京焼、理兵衛焼、中国磁器、瀬戸美濃系陶磁器、江戸在地系土器(かわらけ、焙烙、灯火具)、焼塩壷、玩具、瓦、砥石、煙管、銭貨、硝子製品、漆器、下駄、曲物、貝杓子 |