トップページ > 事業活用事例集・雇用事例集 > 事業活用事例集6
当社(関東支社)に特別支援学校を卒業してすぐに働き始めた知的障害のある社員がおり、製造ラインにおいて他の職員との共同作業を任せていました。
この社員は、作業スピードも速く、一生懸命に仕事をしてくれるのですが、就職後半年が経過した頃から次第に就業中の落ち着きがなくなり、指示以外の作業まで行ってしまう、周囲の社員とペースを合わせて作業ができない、といった状況になりました。また、自分の思い通りに作業が進まないとパニックになり、周囲の社員に対して、つい攻撃的な言動も見受けられるようになりました。
当社では以前から知的障害のある方を雇用してきており、その間日常の小さな問題についてはその都度解決できていましたので、今回もこれまでの経験からいろいろと対応を試みましたが、なかなか解決の糸口がつかめませんでした。
そこで、この問題解決に向けて、保護者・支援機関・学校と一緒に話し合っていたところ、「東京ジョブコーチによる職場定着支援事業」を活用してみては、といった提案があったため、利用してみることになりました。
東京ジョブコーチは、本人が好きなキャラクターやイラストを使った作業手順書を作成することで、作業手順書自体に興味を持ってもらい、口頭だけではなく、視覚的にも作業手順を繰り返し「見せて」「読ませて」教え、その結果、この社員は、以降注意されることなく作業手順書どおりの行動ができるようになりました。
この社員が人見知りをしない性格であったこともあり、東京ジョブコーチとこの社員の間の信頼関係が比較的早く築けたことも、支援が上手くいった要因だと思います。
また、東京ジョブコーチは、当社のこれまでのノウハウをベースとして、さらに一歩進んだ形で「話し方」や「伝え方」を示してくれたので当社の社員にとっても非常に参考になったのではないか、と感じております。こうした支援は、障害者本人だけでなく、企業の雇用管理ノウハウの蓄積にも役立ち、支援終了後も活用できるものなので、当社にとってはとてもありがたいものでした。
現在も、この社員には、貴重な戦力として働いてもらっています。今後も何か問題・課題があった場合は(もちろんないことを願っていますが)、また東京ジョブコーチの支援を活用したいと考えています。
Copyright © Tokyo Foundation for Employment Services.